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不愉快なタリバン掃討戦争の報道! [外交]



実に不愉快な報道が昨日からある。下記は東京新聞の例だ。

【国際】 米、最大規模の攻勢 アフガン タリバンの資金源地区 初の本格共同作戦 2010年2月14日 朝刊  【バンコク=古田秀陽】アフガニスタンからの報道によると、アフガン駐留米軍とアフガン軍などは十三日、反政府武装勢力タリバンの支配地域である南部ヘルマンド州マルジャ地区で、約一万五千人規模の軍事作戦を開始した。二〇〇一年のアフガン開戦以来、最大規模で、オバマ米政権の新戦略が目指す来年七月の米軍撤退開始が実現できるかを占う作戦となる。  アフガン軍が本格的に参戦した共同作戦は今回が初めて。昨年一年間の駐留外国軍兵士の死者は五百二十人で過去最多となり、戦闘の泥沼化が指摘される中、タリバンの資金源とされる麻薬の大生産地マルジャ地区をタリバン支配下から解放することで、戦局を好転させる狙いだ。  英BBC放送によると、米海兵隊員四千人と米兵三百人に加え、アフガン兵千五百人がヘリコプターで第一陣として同地区へ降り立った。アフガン軍幹部によると、タリバン兵二十人を殺害、十一人を逮捕した。  AP通信によると、駐留米軍などは今回初めて、アフガン政府と作戦計画の協力や軍事情報の共有を実施。共同作戦では米軍撤退後の治安権限移譲も見据え、アフガン軍の能力向上も図るもようだ。  また、カルザイ大統領は十三日、作戦実施に伴い、タリバン兵に武装解除と投降を呼びかけた。しかし、タリバンの地元司令官は米紙に対し、「すべての兵士に現地にとどまり、米兵や政府軍と戦うよう指令した」と述べ、徹底抗戦の構え。同地区のタリバン勢力は四百~千人とみられているが、麻薬原料のケシの畑にも手製爆弾や地雷が仕掛けられたとの情報もあり、激しい抵抗を受ける恐れがある。  一方、国際治安支援部隊(ISAF)は同日、南部で手製爆弾になどにより米兵ら五人が死亡したと発表。作戦中の犠牲かどうかは明らかにしていない。


なぜ気分が悪いかというと、この報道にはタリバン側の視点がまったくないのだ。アメリカ国際治安支援部隊(ISAF)のみの言い分が正しいことなどかつてからなかった。そのことはイラク侵略戦争で証明されているではないか。しかも、この時期に明らかになっているのは、日米軍事同盟の内容だ。日米国際安全保証保障条約になっているというではないか。いつの間にか憲法違反の条約や締結されていた。このことは、最近でも、岩上氏が孫崎氏との対談で詳細にインタビュー内容をhpで公表している。以下引用
http://www.iwakamiyasumi.com/column/politics/item_246.html

「05年の日米同盟についての文書は、すでに日米安保も、憲法も超えている」~1月14日孫崎享元外務省国際情報局長インタビュー2 No. 2192010-02-11 19:06政治コメント: 0► Retweet 前回のエントリーの続き。1月14日孫崎享氏インタビュー。 孫崎「例えば、ここに、私はよく言うんですけど、じゃあ共通の戦略というものにどういう問題があるかと。地域でもってね、共通の戦略というのが出てくるわけですけれども、ここで何が問題かというと、『国際的な安全保障関係の改善』ということが書いてあるんですね。共通の戦略というのは基本的に『国際安全保障環境の改善』と、この言葉をもしもお聞きになって別におかしいと思いませんでしょ。ところが、これはものすごい深刻な意味合いを持っているんです。 というのは、どういう時に軍事力を使ってよろしいですかというと、これは、巻頭から始まって、要するに、国家は主権がありますと、他の国は主権を侵してはいけませんと。それで軍事的な行動をとる時には、どこかの国が攻めてくる、あるいは緊急事態になっていると、そういうような時に限定して軍事を使いましょうと、こうなっている。 米安保条約も、国連憲章を守るために日米安保条約がある。これと違反するような行動はしないと言っている。そうすると、サダム・フセインでもいいですし、あるいはイランの宗教体制でもいいですし、アフガニスタンでもいいですし、あるいはサウジアラビアの王室でもいい。こういうような体制を西側のような体制に直すということは、『国際安全保障環境の改善』なんですよ。特に2003年、イラク戦争が終わった後、アメリカの方は中東の民主化ということを言いました。中東の民主化をやるために軍事力を使っていいということになりました。 ということは、今までの流れと全く違った、国際理念と違い、そしてかつ、日米安保条約の根幹に触れるところとも違っている。かつ、日本の憲法を見ていただけると、日本の憲法も国際紛争を解決する手段として軍事力を使わないと言っているわけですね。日本の多くの国民は、自衛力は、自衛隊は国を守る自衛というものでは否定されていないと。というけれども、国際紛争を解決する手段として武力を使っていいということを表向き言っている政治家はいないわけですよ」 岩上「そうですね、はい」 孫崎「そうでしょ。ということで、安保条約の理念とも違う。憲法の理念とも違う。それが堂々とここでね、書かれていて、何の疑問も持たないで、署名がされている」 岩上「憲法を仮に拡大解釈していっても、その自衛権の発動というのを極限まで広げても、無理ですよね」 孫崎「無理ですね」 岩上「要するに、自国の利害と関係のない第三者の紛争なりなんなりに、一方的に介入していく」 孫崎「もっと悪いんですよね。というのは、憲法の場合には国際紛争の解決の手段としてでしょ。これは『国際安全保障環境の改善』なんですよね」 岩上「それはどういう意味ですか。『国際安全保障環境の改善』とは……」 孫崎「ということは、どういうことかと言うと、金正日というのを例にしましょうか。北朝鮮が例えばミサイルを撃つ準備をしますと、そういうような時に、ミサイル攻撃を排除するためにやるというのは、ある意味で国際紛争を解決する手段ですね。ところが、金正日というのはあいつは、ひょっとすると考え方がノーマルではないと、だからあれを先に排除してしまおうと」 岩上「暗殺するとか」 孫崎「とか、そのために軍事力を使おうと」 岩上「先制攻撃を加えるとか」 孫崎「ええ。ということだから、さらに(過激な方向へ)行っているわけですよ」 岩上「要するに、どうにでも解釈できるわけですね」 孫崎「そういうことです」 岩上「武力を行使するとか、そういうような文言は使っていないけれども、逆にだからこそ自由な解釈がどこまでもできる」 孫崎「そのための共通の……。これは自衛隊と、見ていただけると、共通の戦略のために両方はできるだけのことをすると、こう言っているわけですから。だから、あくまでもそれは、軍事力を行使するという前提でやっているわけですからね。大変なことを実はこの文書は書いてるんですね」 岩上「それは大変ですね。でも、おそらくこれについて問いただしたら、こういうふうに言い逃れるんじゃないかなと思うのは、憲法というものがやはり上位にあり、そこにタガがあって、その範囲の中で、今言った国際安全環境を……」 孫崎「もうそんな範囲を超えています」 岩上「その枠内でしかやらないよという……」 孫崎「そんなことない、もう超えているんですから」 岩上「これ、憲法よりも上位なんですか?」 孫崎「上位。上位というか、もう憲法の枠内は全然かかっていませんから。あるいは、安保条約の範囲もかかっていませんから。安保条約は、さっき言ったように、国連憲章の理念を守るためにやり、国連憲章の理念と反するようなことは慎むと書いてあるわけですよ。ここはもうそんなものは、全然とっぱらっているわけですから。 だから大変なことを、実は……」 岩上「これは、国会で審議とかしなかった?」 孫崎「しなかった。というのは、ジャーナリストだって、問題提起しなかったわけですから。さっき1998年というのは、非常に面白いんですけれども」 岩上「橋本さんの時代……」 孫崎「私もこの間ある保守系の新聞記者に呼ばれまして、新聞社に出かけてこれを議論したわけですよ、私が説明して。で、その時に新聞社の人がおっしゃっていたのは、『いや、我々は1998年ぐらいから変化が起こっていたんで、その一環として位置づけていました』と、こう言っているんですけども、全然違うんですよ。全然違ったものという危機感をもって2005年を見なかった。 それぐらい、安全保障の環境が日本は鈍感になったというか、『米国の言うことをやっていたほうが日本の国益になる』というのが、日本人の一般のパーセプション(認識)になったから、ご存知のように」 岩上「対米追随ということが、極端に進んでしまって、もはや『思考停止』ですよね」 孫崎「例えば一番良い例は、イラクでしょうけれども。イラク戦争の時に、日本人にイラク戦争を一緒にやるのがいいかどうかというと、半分ぐらいは本当に良いのかなと疑問を持ったわけですよ。しかし、仮に良くないとしても、日米関係が壊れるというような危険性があったら、それぐらいの犠牲はあってもいいな、という雰囲気になったわけですよね。 だから、あるべき姿よりは損得の方を日本の国民が選択したという雰囲気ができましたよね。その中で、だから実際に何が起こっているかというのを勉強しなかった。それはもう、国連憲章であるとか、日本の憲法であるとか、西側の伝統であるとか、すっかり違ったものを、あるにも関わらず、誰も議論しない」 岩上「恐るべきことですよね」 (続く)

つまり、わたしがいいたいのは、この報道がエスカレートする先にはこの日米同盟、日米安保がいつの間にか、孫崎さんが言う状態になっていることを改善しないと、いまの沖縄の普天間の基地移設問題など、それこそのんきなこといっておれない問題になるということだ。とりあえず、アフガンには民主党政府は金での支援は表明している。しかし、ことは単純ではない。この記事にもあるように海兵隊はまっさきに戦場へ行く部隊だ。つまりアメリカは日本の基地を利用して中東アフガンを意識していることは明白になってきた。アフガニスタンを押さえることは裏の金を集める麻薬資金に加えて、地勢的な意味があり、石油やガスなどのパイプラインを結ぶ要所でもある。古来、幾多の騎馬民族が闊歩した要所をアメリカが軍事的要地としていることは、オバマのアフガン増兵政策ではっきりしている。しかも『冬の兵士』 の証言ツアーでもあったが、PRTという戦争での破壊と復興支援政策がツネにセットになっているのが、アメリカのやり方だ。破壊して軍事で儲け、復興支援事業で儲ける。また、麻薬で儲ける。アフガン政府の腐敗を追及した政府の要人は排斥され亡命や暗殺されるはめにあう、という話を聞いたものだ。

こんなところへ自衛隊出していいのか、イラクでも大問題になったのに、条約に憲法違反があるのを、岡田外相は認識しているのか? 岩上氏は会見で質問したが、限られた中では十分に真意が伝わらなかったようだ。

大変ですよ。マスコミのみなさん。アメリカの一方的報道だけ流していて、いいのですか。だから、タリバンの言い分も書けと言いたいのだ。わたしは、彼らのテロ攻撃の声明ぐらいしか知らないので。知ってる方はどんどん報道してくださーーーい。ネットで流してくださーーーい。

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