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都市対抗野球の見どころと憂鬱? [社会人野球]

本当に野球が好きか?
社会人野球廃部が続く!

 今年の都市対抗野球は私の最大の楽しみのひとつだった。プロ野球から松下電器に転進した梶原康司のチームが大阪の第一代表として、晴れの舞台に立ったからだ。昨年は予選で創部以来の都市対抗優勝をスローガンに掲げたが、第3代表はおろかNOMOベースボールクラブに破れ、クラブチームに負けた社会人野球チームの第一号の不名誉な記録を立てていた。当然ながら梶原は補強選手としての出場に終わった。

 しかし、今季は昨秋の社会人日本選手権を優勝した勢いに加えて、一番・坂口(関西大)の補強などで、チームの得点力をアップして、予選3試合の接戦をいずれも完勝しての、悲願の都市対抗出場だった。
 
 一回戦は8月29日の第3試合に行われた。初戦の相手はJR東海(名古屋)だった。門真市代表の松下電器は予定通り、山本隆之を先発に起用、6回1失点の好投で打つ方では、捕手の新田玄気が2ホーマー3打点の活躍で、7回から抑えの山本隆司に継投した。直後に二塁打され、1失点されたが、山本隆司なら、何とか逃げ切りできるだろうという、期待があった。いつの間にか、外野席もぐるりと囲う超満員、しかも2階席にも観客があふれている。企業チームがいくら、動員をかけているとはいえ、この光景は1回戦では観たことがない。

 かつて地上波テレビで中継されていた光景でも外野席の空席が目立ち、ここまでの観客動員はない。
 七回裏松下電器は一死満塁の絶好のチャンスをクリーンアップで追加点を奪えなかった。結果的にこれが禍根になった感じだが、それはJR東海の必死さを象徴する頑張る姿でもあった。1点を争う攻防、金属バット時代の派手な打ち合いは陰を潜め、少ないチャンスを確実にモノにする野球が求められた。
 九回、磐石のはずだった山本隆司がこの日は力みが目立ち、同点打を許した。

 延長12回、松下電器は田中稔士がつかまり、サヨナラ負けをした。打てなかった梶原康司、吉田憲一郎、主将の田原隆三郎など、クリーンアップで1本出ていればという思いは残ったが、私は号泣する山本隆司に思いをを馳せた。

 彼は東京ドームを出る通路で泣いていた。「泣くな山本隆司!」
私は彼の背中越しにつぶやいた。確かに今年の松下電器なら初戦で負けるなど考えられなかった。捕手の新田玄気が2本塁打3打点猛打賞の想定外の活躍、それが、彼のリードに弱気を呼んだとしたら確かに、悲しい。
 だけど、1回戦というのに、この熱気と観客の盛り上がりは捨てたもんじゃない、気がした。

 しかも、勝ち上がり頂点を極めたチームが秋田県のTDKのにかほ市の意外性、常に優勝争いに顔を出す日産自動車を相手に、予選で苦戦し何とか敗者復活戦で勝ちあがったチームが勢いを得て、優勝候補の狭山市の代表ホンダに打ち勝ち、接戦をエース野田の完投で競り勝ち優勝するという快挙だったのに、その陰でシダックスの廃部が翌日ひっそりと報道された。

 確かにNOMOベースボールクラブ以後、欽ちゃんがクラブチームを創設するなどで、クラブチームは増えた。しかし、一方で社会人チームは減り続けている。この悲しい現実に、高校野球の異常ともいえる盛り上がり、変な現象だ。社会人野球の都市対抗に出るレベルの野球チームの技量は高い。グラブトス、やハンドトスなどのプロ野球でしか見れないようなプレーも目にすることがある。
 緩急と制球力。トーナメントの大会を制する戦略と戦術も巧みだ。

 ああ、それなのに、社会人野球はドンドン廃部の傾向にある。ここが歯抜けになったら、どうなるんでしょうね。野球の底辺拡大というけれど、高校野球人気が頂点だとしたら、悲しい。

この項、随時続けよう!


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